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身体拘束適正化委員会の設置はお済みですか?



BCP書類作成サポートをスポットでご依頼いただいた事業者さまから

実地指導で、身体拘束適正化委員会未実施の減算適用となる指摘があったとのご報告を受けました。

虐待防止委員会も含め、身体拘束適正化委員会未設置の事業所さまはお急ぎください。

令和5年4月から、身体拘束適正化について義務化された内容が適切に行われていなかった場合は減算適用となっています。

くわえて令和6年4月以降の減算額は、以下のように強化されました。


施設・居住系サービス➡基準を満たしていない場合は、5単位から所定単位数の10%減算


訪問・通所系サービス➡基準を満たしていない場合は、5単位から所定単位数の1%減算


ここでは、障害福祉サービス施設における「未実施減算」についての情報および「義務化への対応」について情報提供いたします。

 

未実施減算とは?


未実施減算とは、障害福祉サービス施設が提供するべきサービスや支援が適切に実施されなかった場合に、報酬が減額される仕組みです。

この減算は、利用者に対する支援の質を確保し、適切なサービス提供を促進するための制度です。



適用される場面


未実施減算は、以下のような場合に適用されます。


サービス提供の不履行

  • 計画されたサービスが提供されなかった場合。

  • 利用者のニーズに対応する支援が行われなかった場合。 基準違反

  • サービス提供に必要な職員の配置が不十分であった場合。

  • 設備や環境が基準を満たしていなかった場合。 記録や報告の不備

  • サービス提供記録が適切に管理されていなかった場合。

  • 必要な報告が行われなかった場合。



義務化への対応


障害福祉サービス事業所には身体拘束適正化のための指針作成が義務化されています。

以下、必ず押さえなければならない「身体拘束適正化の取組」のポイントについて整理しました。

以下の一つでも対応していないと減算の対象となります。

 

1 やむを得ず身体拘束を行うときの留意点

① 緊急やむを得ない場合を除き身体拘束等を行ってはならない。

② やむを得ず身体拘束等を行う場合には、その様態、時間、利用者の心身の状況、理由、その他必要な事項を記録しなければならない。


2 緊急やむを得ない場合の要件(※以下のすべてを満たすこと)

 切迫性利用者又は他の利用者等の生命、身体、権利が危険にさらされる可能性が著しく高いこと

非代替性身体拘束を行う以外に代替する方法がないこと

一時性身体拘束が一時的であること


3 やむを得ず身体拘束を行うときの手続き

① 組織による決定と個別支援計画への記載

② 本人・家族への十分な説明

③ 行政への相談、報告

④ 必要な事項の記録


4 身体的拘束適正化委員会  (年1回以上)  

※虐待防止委員会と一体的に設置・運営•    研修計画の策定•    職員のストレスマネジメント•    苦情解決•    チェックリストの集計、分析と防止の取組検討•    事故対応の総括•    他の施設との連携•    身体拘束に関する適正化についての検討 



身体拘束は、利用者の自由と尊厳を損なうものです。

事業者の都合により安易に身体拘束を行うことがないように、指針を策定すると共に公開し、職員研修により適切なサービス提供を行うことが求められています。


では、具体的にどのように委員会設置を行えば良いのでしょうか?

弊所では下記の手順を元にサポートさせていただいております。


 

身体拘束適正化委員会の設置方法と実施について


身体拘束適正化委員会を適切に設置するための手順を以下に示します。

この委員会は、利用者の人権と安全を確保し、身体拘束を最小限に抑えるための重要な役割を果たします。



1.委員会の設置計画とメンバー選定

施設内で身体拘束適正化委員会を設置する計画を立てます。

次に、適切なメンバーを選定します。

メンバーには以下のような職員が含まれると良いでしょう。


  • 施設長または管理者

  • 直接支援員(介護職員)

  • 生活相談員

  • 看護士など

  • 外部の専門家(必要に応じて)

2.委員会の目的と役割の明確化

委員会の身体拘束の防止、監視、評価、教育、改善提案など目的と役割を明確に定義します。

具体的な目標を設定し、委員会の活動指針を作成します。


3.委員会の運営ルールの策定

委員会の運営に関するルールを策定します。

これには、会議の頻度、議事録の作成、決定事項の報告方法などが含まれます。

通常、定期的に(例えば月1回)会議を開催し、必要に応じて臨時会議を開くことが推奨されます。


4.身体拘束に関する方針と手順の策定

身体拘束を避けるための具体的な方針と手順を策定します。

これには、身体拘束の代替手段や緊急時の対応方法、記録の取り方などが含まれます。

方針と手順は、職員全員に周知徹底します。


5.教育と研修の実施

職員に対して、法的規定、倫理的な問題、具体的なケア方法など身体拘束に関する教育と研修を定期的に実施します。

新入職員に対する初期研修や、既存職員に対する教育を継続して行いましょう。


6.身体拘束の監視と評価

委員会は、身体拘束が実施された場合、その理由や過程を詳細に記録し、適正に行われたかを評価します。

定期的に実施状況をレビューし、改善が必要な点を洗い出します。


7.利用者と家族への説明と相談対応

身体拘束が必要とされる場合、利用者やその家族に対して十分な説明を行い、理解を得ます。

委員会は、これらの説明が適切に行われるよう指導し、相談対応も行います。


8.改善提案とフィードバック

監視と評価の結果を基に、施設全体のケアの質を向上させるための改善提案を行います。

物理的な環境改善やケアプランの見直しなどが含まれますが、提案が実施されるようにフォローアップを行います。



いかがでしょうか。

意外とやるべきことが多いと驚かれたのでは、ないでしょうか。


未設置の事業者は法令違反となる可能性があり、その結果、減算だけではない行政処分や罰則が科されることがあります。

法令を遵守し、適切な委員会を設置することは事業者としての責務です。


利用者の権利と尊厳を守り、安心した生活を送ることができるよう行動しましょう。




参考情報




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